イタリアと日本のピアノコンサートの違いってなんでしょうか? 集客方法を比較すると驚く考えの違いがあるそうです!
そしてこの記事は、日本でピアノの先生をしている人、ピアノコンサートをするけど集客に悩んでいる人に読んでいただきたい内容です。
イタリアの音楽大学でピアノを教える先生に書いていただきた貴重な内容です。どうぞ、お楽しみください。
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イタリアと日本の比較!
日本でコンサートをすることってとにかく難しいですよね!
まず、場所を探すことがとても難しくて、値段がとても高額になります。細かいことを言えば、チケット代を徴収するとなると、会場の代金が割増しになることもあります。
日本人の音楽家がコンサートをするときは入念な計画性が必要で、赤字を覚悟でする方も多くそのためどこかの音楽団体に所属してコンサートをされる人が多いのかもしれません。
では、イタリアのコンサート事情はどうなのでしょうか。
実は、イタリアにはコンサートをするきっかけがゴロゴロと転がっています。
今年、私がコンサート出演をするのは、とある町の文化団体からのオファーなのですがイタリア人は、コンサートをする場所を探すのに苦労しません。
まずは、街の中にキリスト教のカトリック教会が50m置きにあり、この空間は無料で無料で貸し出ししてくれます。
お客さんが教会にコンサートを聴くために入ってきたときにパンプレットをもらうときにOFFERTA(オッフェルタ)という募金箱みたいなものを置いています。
大体の人は、その募金箱にいくらかお金を入れます。それが教会の維持費となり、コンサートのために無料貸し出しす一つの理由となっています。
また、イタリアの建物は石造りがおおくどの部屋も結構響きやすいので集会所のようなところもピアノを置けばコンサート会場に早変わりします。
日本の音楽家が苦労するのは、この場所探しだけではありません。日本人にとってクラシック音楽は、少し敷居が高いという意識がいまだに残っていて一般的に浸透していないところにもあります。
もっと気楽に足を運びたくなる工夫をしないといけません。
ピアノコンサートで集客するための方法!
イタリアのコンサートを見ているとクラシック音楽と他分野のコラボレーションが盛んです。
イタリアではクラシック音楽のコンサートが日本に比べて身近とはいっても少しずつクラシック離れが生じています。
イタリア人は、ノーマルなクラシック音楽のコンサートは、「もう古いものだ」という認識があります。
音楽と新しい物を融合させてコンサートをする枠を超えた形を考え出してながらコンサートをしています。
例えば、生演奏とダンス。絵画と音楽。書道と音楽。映像と音楽。こうすることで、音楽が好きな人もきますし、それ以外に興味をそそられた人がきますよね。
昨年私が音楽学校から依頼があったコンサートのテーマは、「UnBel Dìある(晴れた日に)」というタイトルがもうつけられていました。
もしかするとオペラに詳しい方ならもう分かった方もいるかもしれません。プッチーニのオペラで蝶々夫人の有名なアリアのタイトルです。
イタリア人ならこのアリアを聞くと日本を連想させるそうで、学校からのプロジェクトは、音楽に全く興味がない人も楽しめて日本を感じさせる内容にしてほしいということでした。
話し合いを重ねて、音楽を通じて俳句、書道、語学、折り紙など新しい事を知れる内容にコンサートを仕上げました。
日本のお菓子も学校が用意し、最後には交流会もありました。
こうすることで、民族音楽が隅な人はもちろん、日本に興味がある人、旅行に行ったことがある人、日本のお菓子に興味がある食いしん坊さんまでも来てくれました。
音楽だけで人を惹きつけるのは、とても難しいことで音楽を通じていろいろなことを知れるなにか音楽に関係のない人までも惹きつける「テーマ」を決めるのが成功の一つかもしれません。
コンサートは演奏者が主役でないといけないことはありません。美しい絵画を主役にしてその絵画に合ったイメージの演奏をする方法も一つのアイデアです。
「絵画を耳で感じる」という新しいコンセプトに絵画好きまで興味を沸かせることができるかもしれません 。
このようにイタリアでは、音楽家だけでなくデザイナー、舞踏家、画家、俳優などいろいろな芸術家たちが出会い新しいコンサートの形を作り出しているのが今のコンサートのあり方だという考え方があります。
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