イタリアの音楽と日本のピアノ教育にはどんな違いの差があるのでしょうか?
イタリアは音楽の国のイメージがありますが、日本よりピアノ教育が発展しているのでしょうか? これからイタリアに留学を考えている人にとっては役立つ情報をお伝えします!
今回は、日本とイタリアの音大でピアノ講師をしているピアノの先生に記事を書いていただきました!とても貴重ですのでぜひ最後まで読んでくださいね。
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イタリアと日本のピアノ教育にはこんな違いがある!
日本において「ピアノ」という習い事は小さな子供の間でとても人気が高く、幼稚園の習い事ではトップ3に入る人気だと思います。
確かに小さな時にピアノに触れて音楽を感じることは、子供の心の成長にも役立ちます。また、日本で最近人気の高い「絶対音感」を養うのであれば一番の方法だと思います。
では、イタリアでの音楽教育はどうなのでしょうか。ピアノはもちろんヨーロッパの文化で、ヨーロッパの人たちにとって古くからあるものです。
イタリア人は、ピアノのレッスンに通っている人は日本よりも少ないという傾向にあります。
日本はしっかりとピアノのレッスンのカリキュラムもあり、何と言っても子供用の教本や、音楽教育の問題集などが数多く、楽しいものが多いです。
イタリアの子供たちのために楽譜を探すのですが見つけるのがとても難しいです。子供用の楽譜はバスティンが中心でジャズの和音が多いです。ラグタイムや、ブルースのようなものが多くなります。
個人的に日本でピアノを幼い頃から習ってきたのでバイエルを使いたいのですが、イタリアではバイエルを使うことはまずありません。本屋さんには子供用のバイエルはイタリア存在しないので日本で購入したものをイタリアの生徒さんに使っています。
では、イタリアではどんな生徒さんがピアノを習いにきているのでしょうか。
習い始めるのは大体小学生くらいから。日本では3-4歳から始めるので少し遅いですよね。
日本とイタリアでのピアノを習いたい理由の違いは何?
では、まず日本の生徒さんがピアノを習いたい理由は「大人になった時に弾けるようになりたいから。」ですよね。
本人の意思というよりも親御さん達が、子供の将来を願って習うことを提案する場合がほとんどです。
ではイタリアの子供達は、どんな理由で習うのでしょうか。
「作曲するのが得意みたいでピアノが弾けると、作曲に役立つでしょう。」と相談にお母様とこられる方がたくさんいます。
理由は、作曲だったり、歌うのが好きで弾き語りしたい。とか、ピアノ以外の事を伸ばすためにピアノが必要だと思っている人が多いのです。
日本ではヤマハがピアノを作って入る事はよく知られていますよね。ヤマハはピアノだけでなく、教室を全国に持ちヤマハのグレード試験をし、子供達が楽しくピアノを覚えれる楽しい楽譜や教材を作っています。
その流れで日本におけるピアノ教室の豊かさ、楽譜の豊かさはイタリアに比べるととても整っています。街の中を歩けば気軽の体験レッスンなどをできる教室がたくさん並んでいますよね。もし、気に入らなかったら違う教室にすぐ変えることもできます。
イタリアでは、ピアノを習える教室が日本ほど数がありません。公立の音楽学校(とは言っても日本でいう塾のような印象)またはプライベートの先生を探すしかなく、歩いていて気軽に好奇心でパンプレットをもらうという入りやすさがないのです。
日本のピアノの歴史は、まだまだ浅く日本のピアノブランドがピアノを普及させるために色々な工夫をしています。そのおかげで日本の子供達にとってピアノはとても近いものになりました。
イタリアは、音楽の歴史上とても大切な国の一つです。思い描いていたほどピアノとイタリア人の距離は近くなく、音楽を勉強しイタリアという国に特別な思いを抱いていた者としては少し残念な面もあります。
ただ一つイタリア大人男性のピアノを弾ける人のパーセンテージは日本より高いと言えます。
日本ではピアノは女性のものという印象があり(もちろん少しずつそのイメージも少なくなっています)が日本の音楽業界は、女性が8-9割を占めています。対してイタリアは半数が男性講師です。
ここに日本とイタリア(ヨーロッパ)感のピアノや音楽に対する位置づけの違いを感じたりするのです。また詳しくイタリア人についての音楽への心や気持ちの持ち方についてお話ししようと思います。